震災資料保管庫

地震で失ったもの、伝えるべきもの、
そして活かさなければならないもの

1995年1月17日5時46分に発生した兵庫県南部地震は多くの貴重なものを奪いました。経験したことのないほどの都市直下型の地震によって阪神高速道路も甚大な被害を被り、想像を絶する状況を目の当たりにすることになったのです。悲しみと混乱の中、人命救助、緊急対応、早期復旧が私たちの使命となりました。

同時にこの被災を後世に伝える必要性を感じ、その一環として被災した構造物を体系的に抽出し保管する決断をしました。ここに保管されている構造物は、地震の凄まじいエネルギーを彷彿させるものであり、これまで仮想でしかなかった実物の壊れ方を証明するものです。

自然の猛威に太刀打ちすることはできませんでしたがその後の人間の英知と力により街は甦ることになります。この施設では、地震の証を残すだけでなく、地震発生から全線復旧までの623日間の緊迫した時間と関係者の対応も伝えようとしました。さらには、この震災を教訓にした、新たな技術、災害支援や防災教育の取り組みも紹介しています。

地震を避けることはできません。しかし、この施設によって情報伝達と共有が行われ、そしてそこから生まれる人間の英知によって、今後災害が少しでも軽減されればと私たちは切に願っています。また、私たち自身が、この施設を、安全・安心の原点を見つめ続けるための礎にしたいと強く考えています。活かさなければならないことは限りないと思っています。

震災・復旧と施設のあゆみ

1995.01.17兵庫県南部地震発生
3号神戸線4ヶ所落橋、5号湾岸線1ヶ所落橋
1995.02.073号神戸線応急対策推進室設置
1995.04.01神戸線復旧建設部設置
順次撤去構造物を4号湾岸線高架下(貝塚市地蔵浜に)移設
1995.09.015号湾岸線開通
1996.02.19神戸線京橋 - 摩耶間開通
1996.07.17神戸線柳原 - 京橋間開通
1996.08.10神戸線摩耶 - 深江浜間開通
1996.08.31神戸線月見山 - 柳原間開通
1996.09.30神戸線深江 - 武庫川間開通
1999.10神戸市東灘区深江浜に震災資料保管庫完成
2009.12.18震災資料保管庫リニューアル

展示の概要OUTLINE

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今後の防災対策の研究の一助となることを願い、特徴的な被災構造物を34点展示しています。

A.鋼上部構造
B.RC橋脚
C.剛製橋脚
D.支承